福岡の弁護士安倍久美子です。
いよいよ明日30日、薬害肝炎九州訴訟の判決が福岡地裁で言い渡されますが、本日、福岡判決前日集会が行われました。
出席者は700名、署名等で参加表明をしていただいた方が400名と、非常にたくさんの方に参加頂きました。
この場を借りて参加者の方にお礼を申し上げます。
ありがとうございました。
集会のテーマは、
「他人事(ひとごと)じゃない。薬害・肝炎」です。
薬害や肝炎は、決して他人事ではない。
薬害は、これで最後にしてほしい。
そう考えて、このようなテーマにしました。
第一部は、原告、支援によるスライドショー。この問題を他人事ではないと支援の学生らが考えるに至ったきっかけから始まります。
全国原告団代表の山口美智子さんが「お母さんの話と思って聞いてください。」と言って九州大学法学部のゼミでこの被害について講義をしました。
出産の際の出血に対してフィブリノゲン製剤を投与され、C型肝炎に感染してしまった山口さん。
学生たちは、「これは他人事ではない。私のお母さんが受けた被害かもしれない。」そう思って裁判の支援をはじめたのです。
その後は、支援の学生の手によるパワーポイントを巧みに使った原告、支援らのリレートークにより、原告らが本件被害を訴えます。
この被害は決して他人事ではないことを学生が、輸血等による肝炎患者が、他の薬害患者が、医療従事者が訴えます。
「信じるものに裏切られることのない世の中を。」スモン被害者は訴えます。
国と企業の責任を認めた去る6月の大阪判決を受けて、社会の受け止めが変わった実感を、支援が語ります。
そして、原告は、「他人事じゃない。」そう言ってくれる支援の方々の存在を励みに、当事者として取り組んでいくことを誓います。
最後に、原告ら皆の願いとして、肝炎問題の全面解決を訴えます。
写真を効果的に使用した、非常に完成度の高いスライドショーに仕上がっていました。御覧いただけないのが残念です。
(民主党の菅直人代表代行も、感動の涙を流されていたそうです!)
第二部は、集会に駆けつけていただいた政治家の方々と札幌B肝訴訟で原告全面勝訴判決を得た原告、弁護団事務局長からの挨拶をいただきました。
民主党菅代表代行は、自らの薬害HIV事件解決に尽力した経験をもとに政治を動かすのは議員ではなく、一人一人の国民であること。
HIVのときも当時の若者が政治を動かした。今回も若者の力が期待されると話していました。
(原告団、弁護団も、期待しています。これからもよろしく!)
最後に、全面解決への願いをこめて、会場の皆で「栄光の架け橋」を合唱し、会を終えました。
と、言葉で書いていると、全然伝わらない気がしますね~(^^;)
すみません。
でもほんとに、とてもすてきな会でした。
出席された方には、原告、支援者の心の声が、届いたと思います。
福岡判決後、各地でリレー集会を開きます。
この流れを、各地につないでいけたらと思います。
集会後、菅さんの感想を聞きました。
肝炎問題は、100万人単位の救済の枠組みを作ることになるので、非常に大きな力が必要だ。
まずは、判決を期待したい。
しかし、問題を解決するには、判決だけではなく、一般の支援者、一般の国民がどれだけ共鳴して行動にうつすかが決定的であると。
そのとおりだと思います。
今後も、より多くの方に、より一層の支援をお願いしたいと思います。
どうぞ、よろしくお願いします。
集会でつないだ支援のハンカチの輪が、全国につながりますように。
明日14時、いよいよ福岡地裁で判決が言い渡されます。
全面解決につながる判決であると、信じます。
(九州弁護団・安倍)