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薬害肝炎は、血液製剤によるC型肝炎の感染被害です。肝炎患者の検査・治療・研究体制の充実を目指して活動しています。当ブログでは原告・弁護士たちから情報発信していきます。
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お知らせなど
このブログは、薬害肝炎東京弁護団の弁護士が管理しています。

● 東京弁護団は、関東甲信越、北海道、静岡の一部を主に担当しています。
 弁護団員には、群馬、神奈川、千葉、静岡、北海道の弁護士もおりますので、弁護団事務局までご相談下さい。

● 2008~09年度に厚生労働省で薬害肝炎に関する検討会・委員会が行われています。

厚生労働省HPの
 「薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会」
 「フィブリノゲン製剤投与後の418例の肝炎等発症患者の症状等に関する調査検討会」
の部分をご覧下さい。

● 2008(平成20)年1月11日、第168回国会にて薬害肝炎救済法案が成立し、同月15日、薬害肝炎全国原告団は、国と基本合意を結びました。
 また、2009(平成21年)11月30日に、肝炎対策基本法が成立しました。
 これまでのご支援、誠に有難うございました。

 今後は、基本法の趣旨を踏まえ、350万人の肝炎患者のための検査・治療・研究体制がより充実されるよう、活動していきます。

B型肝炎の方へ
 集団予防接種によるB型肝炎感染被害の疑いがある方は、当弁護団ではなく、B型肝炎訴訟弁護団にご相談下さい。
B型肝炎訴訟弁護団
http://www.b-kan-sosho.jp/
全国B型肝炎九州訴訟弁護団
http://www.hbvq.info/

薬害肝炎弁護団リンク
薬害肝炎全国弁護団HP
薬害肝炎九州弁護団HP
九州弁護団事務局長ブログ
薬害肝炎弁護団神奈川支部HP


薬害肝炎全員一律救済法に対する原告・弁護団の意見
 薬害肝炎原告団・弁護団は、全員一律救済の議員立法について意見をまとめるために、本日午後に原告・弁護団会議を開きました。
 全員一律救済法案に対する原告団・弁護団の意見は、以下のとおりです。


  2007年12月24日

議員立法(薬害肝炎被害者全員一律救済法)に対する
原告・弁護団の意見


              薬害肝炎全国原告団
                代表 山口美智子
              薬害肝炎全国弁護団
                代表 鈴木利廣

1 立法趣旨・目的
 本件は、少なくとも1万人以上ものC型肝炎ウイルス感染被害者を発生させた薬害である(以下、本件薬害という)。
 本法は、国が、医薬品の許認可権を有するものとして、本件薬害を発生させたことを反省し、その責任に基づいて被害者全員の一律救済を行うことを目的とする。

2 責任・謝罪
 国は、本件薬害被害について責任があることを認め、被害者の苦痛に心から謝罪する。

3 和解金給付
(1)全員一律救済
  フィブリノゲン製剤(フィブリン糊としての使用を含む。)及び第Ⅸ因子製剤(クリスマシン、PPSBニチヤク)の血液製剤(以下、血液製剤という)について、投与時期を問わず、薬害被害者に対し、症状に応じて一律の和解金を給付する。
  なお、給付後に症状が進行した場合、その症状に応じた和解金と既に受領した和解金との差額を給付する。

(2)対象者、因果関係
  薬害被害者とは、後天性疾患について血液製剤を投与され、C型肝炎に感染した者及びその遺族をいう。但し、他原因のみが感染原因であることが明らかである場合を除く。

(3)投与事実の証明方法
  血液製剤投与の事実の証明は、医師ないし医療機関作成による投与証明書等の客観的な資料による。

(4)司法認定
  投与事実、因果関係の有無及び症状は、裁判所が認定する。
  第三者機関による薬害被害者の認定については、過去の同種の認定制度の運用実態に鑑み、薬害被害者を切り捨てることになることから、望ましくない。

(5)消滅時効・除斥期間の制限
  本法の施行後、3年以内に請求権を行使した者に対して、消滅時効の主張をせず、除斥期間を適用しない。

4 恒久対策と薬害再発防止等
(1)恒久対策
  薬害被害者が安心して暮らせるよう、医療体制の整備、治療費援助、健康管理手当の支給等の施策を実施し、福祉の増進を図るとともに差別の除去等に必要な措置を講ずるよう努める。

(2)薬害再発防止
  本件薬害の検証事業を行う第三者機関を設置し、薬害の再発防止に最善の努力をし、薬害・医薬品の副作用に関する情報公開などを推進する。

(3)協議機関の設置
  恒久対策及び薬害再発防止等について、国と原告・弁護団との間に定期協議の場を設置する。

                         以上


薬害肝炎全員一律救済法に対する原告・弁護団の意見_d0081819_21445431.jpg 以上の原告団・弁護団の意見の趣旨は、従前から私たちが示していた「肝炎問題に関する全面解決要求書」に記載したものと同じものです。

 一部報道によると、政府は、全員一律救済法案に、薬害肝炎の「解決が遅れた責任」を明記することを検討しているようです。

 しかし、薬害肝炎原告団・弁護団は、国に対し、薬害肝炎の「発生・拡大責任」を明確化するように求めています。「解決が遅れた責任」では、原告団・弁護団が求めている「発生・拡大責任」とは大きな隔たりがあります。

 福田首相の指示した議員立法が、本当に全員一律救済を目的としているのであれば、その責任根拠は、やはり薬害肝炎を発生・拡大させたことにあるはずです。「解決が遅れた責任」というような中途半端なことで済ませようとするのであれば、本当に全員一律に救済するのかどうか、疑問を抱かざるを得ません。

 福田首相には、ぜひ私たちの考えをよく理解していただきたいと思っています。

 ところで、今さっきオンエアされていたTVタックル(テレビ朝日系)でも、自民党の小坂憲次衆議院議員は、「国の責任があるかないかではなくて、それによって被害に遭われた方々に、どういう対策を講じるか、これは政治の責任だと思うんですね」と発言しました。
 これに対し、政治評論家の三宅久之さんから、「いやいや、国の責任はあるんですよ」と反論されていました。

 もし、小坂議員の発言が現在の与党の考え方であるとすれば、原告たちの言っている「救済」の意味を、誤解しているといわざるを得ません。
 薬害肝炎原告たちの願いは、国の責任を認めてほしい、過去の過ちを反省して謝罪してほしい(そして、薬害を二度と起こさないでほしい)というものです。責任の明確化と謝罪なくして救済はありません。

(東京弁護団・まつい)
by kanen-relay | 2007-12-24 21:30 | 薬害肝炎資料室
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